春宵一刻直千金
これもエイジングの仕業なのかしら。
先日、西に去っていく月あかりを見ながら、あれ春の夜ってこんなにいいものだったんだ…と思いながら帰宅した暁前。
そんな折、昨日茶事の待合で「春宵一刻」と書された軸と遭遇。春宵一刻、つづく言葉は直千金。さらに「花有清香月有陰…」と綴られる漢文、蘇軾(蘇東坡)のことばがすんなり入ってきてなんだかうれしかったなー。蘇東坡が何歳頃の詩文なんだろ。春の香りに喜ぶことはあっても、春の夜やおぼろな月に意識がいくことは今までなかった。これもエイジングのひとつなのだろうか…。
茶事の本席の床は、まさに今の気候と景色を2つの文字に凝縮させた「春翠(松平不昧)」の軸。軽やかながら力強い書の体で、ひとめぼれしました。久しぶりに不昧公も好んだという山川食べたくなってきた。
炉もなごりの4月、茶飯釜の茶事で遭遇した散りばめらてた春の景色づくし、今回も忘れることのできない一夜の茶事時間に感謝です。