2007/08
あぶらぜみ、みんみんぜみやつくつくほーしが、大合唱の上野公園を抜けて、足利義満六百年御忌記念「京都五山 禅の文化」展(東京国立博物館 平成館)へ。耳には「とゅくとゅくほーし」と聞こえるつくつくほーしの合唱が好み。
足利義満というよりも、勝手ながらその孫足利義政に関する展示を求めて行ったのですが、義政さんがらみで記憶に残るのは「青磁茶碗 銘 馬蝗絆(ばこうはん)」ぐらい。やはり政治手腕というよりも、食や文化に功績のあった義政さんならではということか。確かに美しいエメラルドグリーンには感嘆。その茶碗にひび割れが生じ、義政さんが代用品を明の国に求めたが同等以上の品はなく、鉄の鎹でひび割れを修復して戻ってきたという茶碗。蝗も青磁にのれば、なんだか気品漂う虫にも思えたり。単純。
展示の中で多かったのは掛け軸。記された「賛」などを注意深くと読むと、当時の禅僧の自己顕示、セルフプレゼンテーション能力には頭が下がる。そんな禅僧の自己アピール方法は、今の時代にも垣間見えたりするのも面白い。
エントランスを出たときに、日傘をかざした奥さんが2mほど先を歩く旦那さんに「お父さん、馬蝗絆は見なかったの?」などといいながら近くを通りすぎました。仏像や掛け軸、禅僧がまとっていた袈裟などの展示品ゆえか、平均年齢高そうな空間、静かで快適。チケットやHPのデザインには「Let's ZEN」の記載。若者の呼び込みも意識しているようです。期間は2007年9月9日まで。