秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
毎年、このさみしくも空気にほんのすこしの涼がくわわってくると、空を見上げながらこの歌を教えてくれた方を思い出し、しょんぼりします。
まだ夏にすがってはいますが、もう晩夏。
今夏は色々と大事なことを頭にずっと抱えながらの夏越しで、公私に渡りおおごとになることはなく晩夏を迎えられていることに安堵しています。
さて、すこし前になりますが正田醤油さんの「煎り酒」を使ったお料理をご紹介させていただくイベント「煎り酒薫る 江戸涼会」にて、「煎り酒の江戸から現代へ 三点盛り、白身魚の膾と煎り酒・きゅうりと納豆の百味加薬漬け・豚の煎り酒焼き」の3献立の料理の監修とデモンストレーションをさせていただきました。
起源は室町時代とも言われる煎り酒は江戸の中頃まで親しまれており、それ以降醤油が民衆の中に広く浸透するとともに、料理屋さんや懐石料理などではその姿を残しつつも、味付けの主役は醤油へ移っていきました。日本酒と梅を軸にして作る煎り酒の風味は白身魚や野菜などの和えものや豆腐料理など、また現代のお肉料理とも相性がよく、日々私も食材ごとに合わせ作り分け、楽しんでいる味付けのひとつです。
献立ごとに、煎り酒をそのまま使うのか、それとも火入れをするのか、
また、自分好みの自家製煎り酒で楽しむのか、または醤油屋さんが丹精込めて作ってくださった煎り酒を堪能するのか。日々の料理のシーンに合わせてあれこれ使い分けるのも煎り酒の楽しみ方のひとつだなと思います。
手話通訳とともに料理のデモンストレーションなどをさせていただいた今回のイベントの様子や料理内容など、この度イベントをオーガナイズしてくださったmazecoze研究所さんのサイトにてアップされました。ご覧頂けたら嬉しいです。ぺこり。
mazecoze研究所→http://mazecoze.jp/cat7/2026
ご来場頂きました皆様、正田醤油様、mazecoze研究所の皆様、ありがとうございました!
(写真はmazecoze研究所サイトより)