懐石とは臘八(ろうはつ)の大接心、つまり禅宗の十二月八日にはじまる厳しい修行からでたものです。
(途中略)
その意義はもとより贅を凝らした料理ではなく、一汁三菜をもって基本とします。
(途中略)
懐石の本旨はなによりも「もてなし」にある。
一汁三菜を基本とするため量よりは質を、
亭主の好みよりは客の嗜好を重視して献立を決定し、
旬のものを素材とするのが重要である。
そのため 亭主はその日の客の趣味教養、茶味、年齢。出身地などを
十分に考慮して、一番喜んで頂けるように心を砕くのである。
(『茶の心』 千宗室著 淡交社より)
懐石、とりわけ茶懐石の考え方って、日々の食事のとらえ方、とも思っています。家族でもお客様でも、食べる人の嗜好や状況を考えて、旬の食材をもってシンプルに用意する。もちろん、心を砕き大事な大切なおもてなしの懐石もありますが、日々の食事にも心ばかりの気持ちを砕き、家族であれば各人の様子や状況を考えながら作る、用意をするということにも通じる特別ではない日常ごと、とも思っています。
そんなこんなから、日々「懐石を基本とした和食」という料理レッスンをさせて頂いております。
おあがりするような懐石料理屋さんも心ときめくごちそうですが、日々の食事にも懐石の心を~なんて。
大好きな本『茶の心』(千宗室著 淡交社)、写真の、景色の切り取り方、静の中の動を感じる風情、とても美しく大好きで、寝る前になどぺらぺらしております。
さて、三時のお茶にしようかな。