茶道の茶釜を掛けて湯をわかすための火鉢のような姿の風炉。暖かい時期に使用するもので、つぐ炭も寒い時期のそれより小さいものを使います。炭の配置も火のおきが良くなるよう考えられており感心してしまいます。その風炉も今月でおしまい。来月11月からは、畳を切り取り下部に掘られた「炉」の時期のはじまり。
炭をついでるうちに、ぱち、ぱちっ、と炭がすこしづつ音色を奏で、ゆるりゆるりと温かみを届けてくれる時間は、炭と会話をしているような気にもなります。炭をちゃんとつげていない時は、音色もせず、温かみも届かず、「ちゃんとつげよ」と炭からの無言の攻撃も受けますし、炭点前をしている炭が生き物かのように思えてしまいます。そんな時間は火の前で料理をしている時と似ているように感じます。目に耳に鼻に肌に舌に、五感に敏感でいきたいなと思うのです。うり。
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