大好きな道具のひとつ「折敷」。日頃より懐石をベースにした「和食」のレッスンをさせて頂いておりますが、「折敷(おしき)」は茶事懐石に欠かせない道具一式の中のひとつで、レッスンでもほぼ毎回登場する道具のひとつです。
この折敷、黒塗りが基本とされていますが、角切(すみきり)、角不切(すみきらず)があり、季節や趣向に応じて春慶塗りや溜塗、半月形や丸盆などが用いられますが、写真は黒塗りの角不切。色や形に関わらず、折敷にごはんや汁もの、向付などを配置すると自然と器や料理がぐーっと浮き上がるように目に入ってきて、頂く直前、斜俯瞰で眺めるのも楽しみにひとつです。
季節や席入り時刻(茶事の会場に入る時間)など、趣向・内容ごとに様々なスタイルがある茶事はどれもほんとに魅力的で、とはいデイリー茶事というのは茶事の主旨とは相いれないようにも感じ、また現実的に無理~(笑)。という訳で、茶事や懐石、そのほんのすこしのエッセンスを日々の食卓に活かしていきたいな、と常々思っています。
レギュラーのレッスンでも、東京・代官山のAL Kitchen Studioの和食の基本レッスンでも、そんなエッセンスのお話をおりまぜながら、毎回開催させて頂いております。今週末6/21(土)の「和食の基本」は”手作り素麺つゆと、あいなめのから揚げなど”です。素麺つゆはご自宅でもすぐにお楽しみ頂けるお持帰り分のお土産つきです。
■献立
・手作り素麺つゆ
・そうめんの加賀太きゅうりぞえ
・あいなめの唐揚げ
・水なすと九条ねぎの揚げびたし(手作り素麺つゆを活用した一品です)
基本のだしのとり方や三枚おろしの基本なども行いますー。お料理経験の有無はどうぞお気になさらず♪お気軽に遊びにいらしてください~。
詳細情報はこちらのサイトにございます→ http://al-tokyo.blogspot.jp/2014/06/6.html
そもそも茶事とは…。
茶事とは、ものすごく簡単にいうと、ホスト役である「亭主」がゲストである「客」を招待して食事をさしあげ、そののち「濃茶」と「薄茶」をお点てしおもてなしをすること。懐石料理が主役ではなく、あくまで「濃茶」「薄茶」をいただくためのシンプルな腹ごしらえ、といったニュアンスでしょうか。酒も登場しますが食事を楽しむためのアクセントとでもいいましょうか、ぐびぐびとは異なる趣向でございます(←自分に言い聞かせてます(~_~;))。お料理が美味しくついつい一献、また一献と進んでしまいがちではありますがここはぐっと堪えた方が、のちほど頂く数々の菓子や、茶事の本旨「濃茶」「薄茶」がからだに沁みわたります。これほんとにほんと。